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Travel in Yonaguni UMETANI Hideki

Travel in Yonaguni

UMETANI Hideki

Published
ISBN :
Kindle Edition
32 pages
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 About the Book 

大阪空港から那覇、時間余りの待ち時間の後石垣へ、そしてさらに分の旅程を経て目的地に着く。与那国は一島一町、沖縄本島からもキロメートル以上離れた、人口人に満たない、忘れ置かれたようなところだ。年月、石垣空港がまだジェット機用滑走路を持たず、東京や大阪からの直行便がない時代。僕は歳だった。南西航空便の右側の窓から、雑巾を絞って水面に浮かべたような島影を垣間みたように思った。双発のYS型プロペラ機が大きく旋回して視界が海だけになり、僕は与那国に着こうとしている。この国で一番西にある町、More大阪空港から那覇、1時間余りの待ち時間の後石垣へ、そしてさらに40分の旅程を経て目的地に着く。与那国は一島一町、沖縄本島からも500キロメートル以上離れた、人口2000人に満たない、忘れ置かれたようなところだ。1990年3月、石垣空港がまだジェット機用滑走路を持たず、東京や大阪からの直行便がない時代。僕は29歳だった。南西航空705便の右側の窓から、雑巾を絞って水面に浮かべたような島影を垣間みたように思った。双発のYS11型プロペラ機が大きく旋回して視界が海だけになり、僕は与那国に着こうとしている。この国で一番西にある町、ソウルよりも西にあり、台北よりも南にある。南西諸島が行き詰まって、台湾の手前にぽつんと浮かぶ絶海の島。地図を見ると周囲100キロ四方には海しかない。海だけがある。気温8度の大阪ではジッパーをとめていたオレンジのブルゾンを、僕は既に腕に抱え、その下の長袖シャツの腕をめくり上げている。「新垣」という名前のスチュワーデスが籠に入れた小さな飴を差し出してくれたが、汗ばむ機内の温度で包装が剥がれにくい。アラガキさんは、ふっくらとした面長で、ちょっと目尻がたれた色の白い美人だz